ボーゲル先生の年頭講話

0 0
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

年末にニューヨークからボストンに戻り、大晦日から元日にかけては、自宅そばのクーリッジコーナーの和食屋「四季」で年越しそばを食べ、
121231 toshikoshi-soba@Shiki2
おせちをテイクアウト。
130101 osechi
TVJAPANで紅白の再放送を見て、気分だけ一時帰国しました。


さて、アメリカに「おとそ気分」はないようで、1月2日には通常営業モード全開です。
小中学校の授業は始まりました。ハーバードのキャンパスもオープン。寒さに震えながら、今年初登校しました。
130102 assyuku Harvard in snow
(雪が積もったハーバードヤード)

130102 assyuku frozen Charles River 1
(凍るチャールズ川の川面)

ハーバードの日本・中国研究の第一人者エズラ・ボーゲル先生が2日、年頭の特別講話をしてくださいました。氷点下のボストンにこもって越冬中の哀れな(?)日本人研究者10人が集まりました。
130102 Prof Vogel 3

1958年に日本に留学して千葉県の一般家庭6件の訪問による定点観測研究をはじめ、毎年日本を訪れて政界・官庁・経済界との交流を重ねて書き上げた1979年の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」はベストセラーに。出版社のTBSブリタニカの宣伝が上手だったそうで、出版後1カ月間、ボーゲル先生は日本全国を行脚して書店でのサイン会、地元新聞のインタビュー、テレビ出演などを次々とこなしたそうです。

本のサブタイトルは「レッスンズ・フォー・アメリカ」。急速な経済成長を遂げた日本からアメリカが学ぶべきだとの主張だったそうですが、当時の「傲慢な」米国内での受け止め方は、「あの人は長年外国暮らしをして、おかしくなったのだ」。

当時、僕は小学生でしたが、本のタイトルだけはなんとなく記憶に残っています。ボーゲル先生によると、「いまの日本の若い人はこの本のことを知らないが、年取った人は思い出す。ああ、いい時期だったなあ、と」。

僕も、おじさんということですなあ。

話題は、日本と中国の関係に移り、
「尖閣問題は単なる資源問題ではない。非常に心配している。天安門事件後、中国では愛国教育が始まり、その宣伝として日本が効果的に使われた。アヘン戦争以来、中国は弱かったので、ひどいめにあってきたけど、今は強いんだぞ、と」。

「とはいえ、日本社会は、まだまだかなり強い。犯罪は少ないし、住みやすいし、、、」

最近のワシントンポスト紙への寄稿でも、こうした日本へのエールを送られています。
(ご関心のある方は、こちらをご覧ください。↓)
http://www.washingtonpost.com/opinions/why-japanese-life-is-good/2012/12/14/c46b6c86-3a73-11e2-8a97-363b0f9a0ab3_story.html

講話終了。午後4時をすぎると、もう暗くなります。
「鍋でもやりますか」

日本の省庁や企業、マスコミからハーバードにやって来たおじさん研究者らが、研究所のミーティングルームに集まりました。地元の魚屋さんから調達してくれたアンコウを鍋に投入して、酒盛りです。
130102US-Japan-nabe2.jpg

華やかなニューヨークと違って、この時期のボストンは実に寒くて、寂しいと感じます。クリスマスや年越しのカウントダウンなどのイベントも重なり、家族持ちやカップルではない単身の異邦人には厳しい季節です。にわか単身赴任の僕もそう感じています。

ボストン郊外の小屋で一人、自給自足の暮らしをして名著「森の生活」を著した新聞記者出身の思想家ソロー。当時の時代環境と、厳しい自然、そして孤独から、彼の超然主義なる思想は生まれたのでしょう。

一方、孤独に耐えられないおじさん日本人研究者3人が、大晦日の夜にボストンハーバーのカウントダウンを見に行ったそうです。

「まわりはカップルばっかりでさあ。いやあ、3人で行って良かったよ。2人だったら、絶対にゲイのカップルだと思われたはずだから、、、」

おじさん研究者たちの酒盛りは、しばしゲイの話題で盛り上がり、久しぶりに痛飲。夜はアンコウのようにとろとろと溶けてゆきました。
ページトップ